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学振を捨てた結果、完全リモートワークの業務委託で学振以上の月収を稼ぐようになった博士学生(兼個別事業主)が、約一年間で実践した四つのこと

まず始めに

大学院に入ってからの収入の変化

まず、これをみてください。これは、僕の数年間の奨学金を除いた月収の変化です(博士二年目は少なめに書いてますが、この額より稼いでます)。

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ずいぶん前に大学院生の金銭事情について下記のように記事にしたことがあるのですが、大学院生の65%の人が年収65万円以下と言われています。私も修士課程時代はその部類でした。奨学金を足しても最低10万、最大で15万くらい。幸い住んでるところが関西の郊外だったので、月々の家賃や食費などを全て足した支出額は、変動はあるけど9~11万くらい。授業料は親の扶養に入っていた関係で授業料免除も叶わず、自分の貯金から切り崩したり親から資金援助してもらう形での生活でした。

yukr.hatenablog.com

しかし、ある努力を二つ実践したことで、数ヶ月の努力で月に安定して10~12万くらい稼げるようになりました(かつリモート業務)。そして、さらにある努力を二つ実践した結果、一年後は月に40万円以上の給料を研究の片手間で稼げるようになりました。しかも完全リモートフルフレックスで土日業務可能です。あと、狙ってないですがついでに開業もできました。自分で立ち上げた事業はないですが、学生起業もできました。

ここまでになるのに、一年間でどのような努力をしたのか。それを話す前に大学院の学生がどんな理由で進学を断念したり博士後期課程で中退するのかを説明し、自分が学振に頼らずに学振以上の収入を自力で稼ぐ決意をするに至った過程を話したいと思います。

多くの院生が博士課程を断念する理由

博士後期課程に進まないand途中で退学するトップ3の理由は、

  • お金(学振も通らない、奨学金の借金で生活するのは大変などの理由)

  • 人間関係(先生と考えが合わない、拘束が強すぎる、指導放棄などの理由)

  • 研究内容(自分の研究に限界がでたなどの理由。適当に仮説を立てたネタを学生に押し付けた指導教員によるものが半分を占める印象だが...)

だと思います。実際に自分の先輩や同期、後輩を含めた知り合いのほとんどが上記の三つの理由から進学を断念or中途退学or大学院移動のケースでした。特に、博士課程に進む予定の学生がやめる理由のほとんどはお金を理由にしてやめる場合がほとんどです。金銭的な面を懸念して博士過程に進まず修士課程で就職する人、あるいは進学してみたものの中途退学する人は非常に多いと思います。

僕の修士課程での体験談

一年近く取り組んだ研究をやめて別の研究をすることになる&学振に落ちる

元々、僕の研究は結果が出るのが遅かった分野でした。M2の初めに新しく自分で研究テーマを考案していた経緯もあったのですが、M1の間にリサーチして予備実験も済ませた研究をやめる事になり、考案した方のテーマをやる事になりました。一年近く必死に調べた先行研究(100近かった)や実験の解析などを行うために作ったスクリプト、その他その実験を行う上で作成した書類の数々がパーになりました。そして、学振はボロボロの計画書になった上に、夏の中間発表は結果なし。周りがみんな何かしらの結果を提示して発表している中、自分は仮説と結果の予想だけを言う結末。正直、実験中とはいえ恥ずかしかったし情けなかった(当時は結構なストレスだった)。実際、この手の経験は僕だけではなくいろんな院生が経験しています。

でも実験はとりあえずできてる訳だし、きっと真面目に取り組んでいればなんとかなると当時の自分は思っていて、お金の面は辛かったけど地道に実験をやって解析スクリプトを書いていました。DC1がダメでも絶対にDC2はちゃんとした結果を作って通して見せると、周りの熱心な博士課程進学予定の学生たちと同じことを考えてました。しかし、そんな世の中うまくいきませんでした。

さらに追い討ちがやって来ました

「予算の関係で数ヶ月研究ができない」と言われ、学振不採択がほぼ確定。途方に暮れる

学振(DC1)に落ちてからほとんど経たずに、この通知が来ました。指導教員からは流石に「ごめんなさい」と言われました。当初は、博士課程に突入するまでに実験を終わらせて、せめて何処かの国際発表の査読付きジャーナルには投稿する予定でした(今思えば、かなり夢物語だった笑)。大体、そのくらいの基準ならギリギリDC2の足切り基準を満たすことは先輩や知り合いの方々から聞いていたので、それが唯一の望みでした。それが、「予算の関係で数ヶ月研究ができない」のたった一言で砕かれたんですよね。

もうね、二日くらい泣きましたよ。いい歳した男なのに

弟の医学部の授業料の負担もあるのに、少しでも援助してくれた両親や祖母に申し訳が立たない。ただ自責の念に刈られて、ストレスによってたった1ヶ月で10kgぐらい増えました。過去に仲の良かった先輩たちがほとんど直前で博士課程を断念して大学院を変えたり就職していた経緯が実はあったのですが、

あー、自分も先輩たちと同じような決断をするしかないのかもな

とあの時は考えていて、親にこれ以上迷惑をかけるなら死んだほうがマシかもしれないと思ってました。

学振や給付の奨学金に頼らない方法を模索することを決意する

先述した状況を踏まえて、当時の僕が考えた選択肢は二つでした。一つは、休学して企業の長期インターンに行って中途退学して就職する方法(実際にウェブなどでエピソードを書いている方もいますが、この方法で名のある企業に就職した方は結構います)、もう一つは大学院を変えて新しいスタートを切る方法。当時の僕は前者を行う予定だったので、その時からインターンを探す準備などをしていたのですが、如何せん業績がない。知り合いから「ベンチャーの就職はインターン経験がないと苦労する」などのエピソードを同期から聞いていたので、実際に探しても中々良いところが見つからない状況でした。最低限のデータ分析はできたので、データ分析系の仕事やインターンを探してみたりしましたが、データ分析のみのインターンを募集してるところは稀でした(あるいは経験年数を求められます)。

なので、はっきり言うと途方に暮れてました。全てが嫌になり、11月は実験日のない期間中に実家に逃げてました。その時、母にちゃんと相談したんです。色々複雑な話をすることになるのかなと思ってました。しかし、母からはなんと、マリー・アントワネット並みの驚きの名言が飛び出しました。

学振が貰えないなら、自分で稼げばいいじゃない

この単純な言葉が、自分に博士課程の学生として第三の選択肢を与えることになります。そう、国にも大学にも頼らず、勝手に自分でお金を稼げばいいのです!!

では、そうなるためにどのような方法を実践したのでしょうか。いよいよ次の章からそれを説明したいと思います。

自力で稼ぐために僕が行なった四つのこと

そもそも博士(前期)後期課程の学生が自力で仕事をして稼ぐ目標を達成する場合、以下のような障害が生じます。

経験年数や実戦経験がない

バイトや仕事をする時間の確保が難しい(研究室の拘束が強い研究室では大きな障害)

企業まで通勤して働く時間がない、あるいは企業が遠すぎて働けない(地方の大学に在学している学生は特にこの障害が大きい)

これは、多くの大学院の学生に止まらず、学部生なども直面している大きな問題だと思います。この問題を解消できない限り、日々の研究をこなして自力で十分な額を稼ぎながら生活していくことは不可能です。そこで、これらの問題に対処しつつ目標を達成するために僕が行なった四つのことはこちらです。時間はかかりましたが、1~4.まで約1年間で達成することができました。

  1. オンライン講座で開発スキルを身につける

  2. リモート可能の自由に働ける場所で、データ解析やウェブ開発のアルバイトとして雇ってもらう

  3. 仕事をやってスキルを貯めつつ、とにかくポートフォリオを作る

  4. 履歴書に十分な実績を書けるようになったら、作ったポートフォリオと履歴書を武器にしてより良い仕事先を探す

以下、順番に説明をします。

1. オンライン講座で開発スキルを身につける

まず、僕が最初に行なったことはオンライン講座でウェブ開発などのスキルを身につけることでした(別にプログラミングスクールの宣伝ではないです笑)。先ほども申し上げたのですが、その当時のスキルセットでは求人で書かれているスキル要件に引っかからない問題がありました。そもそも、研究で求められるスキルセットと仕事で求められるスキルセットが違いすぎるのです。よく博士を卒業しても論理的思考は活きてくると、会社で仕事したこともない一部のアカデミアの先生方が生徒に言ってますが、研究と同じで論理的思考ができてもその思考を実装して実現できなければ意味がありません。「郷に入っては郷に従え」と言いますが、まずは様々な求人で求められるスキルを増やすためにスキルセットを集めるところから始めました

そこで、修士二年の1月の下旬くらいからRailsウェブアプリケーションを作る講座をTechAcademyで受講しました。2ヶ月で10万円くらいの受講料が発生しましたが、初期コストと思って割り切って受講して勉強しました。TechAcademyの講座はオンラインで受講できるので、わざわざ移動して向かう必要はないですし、隙間時間を使って勉強しました。その当時は修論と学会の論文を作成しながらなのでめちゃくちゃ大変でしたが、何とかやり遂げました。

2. リモート可能の自由に働ける場所で、データ解析やウェブ開発のアルバイトとして雇ってもらう

三月の終わりにオンライン講座が終わり、最低限のウェブ開発のスキルが身についたところで次に行なったのは、新しいバイト先を探すことでした。最低限のスキルセットは揃ったので、求人サイトを数ヶ月ぶりに訪れると自分のスキルセットに引っかかるものがかなり増えたのを実感しました。しかし、実際に探すとなると、新しい壁が立ちはだかります。そう、「経験年数」です。よく「未経験でも時給3000円」という夢物語が巷では出回っているみたいですが、そんな近道はありません

したがって、2~3年くらいの経験年数がないと雇ってもらえないケースがほとんどです。ポートフォリオや履歴書から実績やスキルを証明できれば経験年数が半年から1年くらいでも雇ってくれる場合がありますが、それでも最低限の経験年数を必要とします。つまり、ここで仕事を探す時点で重要なのは「給料」ではなく、「如何にして自由に働けるところを選んでスキルを貯めていくか」になります 。そこで、僕のケースではWantedlyなどに履歴書やスキルを登録してベンチャーのアルバイトを探しました。なぜ学生のアルバイトにしたかというと、「完全な未経験と比べて採用率が高く、圧倒的に有利」だからです。この手の求人は未経験の学生が非常に多いので、オンライン講座で最低限のスキルを揃えてる段階で応募してると条件の良いところに合格しやすいです。ここで、スキルセットなどを揃えた効果が出てきます。そして、3つほど申し込んで最終的に選んだところは自社サービスの開発を行なっているスタートアップのベンチャー企業でした。時給は他のところは1200~1500円で提示されていたのに対して、そこは1000円と最低時給でした。しかし、他の企業と比ベると、その企業はリモート可能だったので速攻で選びました。僕は実家は東京でしたが関西で暮らしているので、この条件はとても大きかったです。この条件は地方にいる学生ほどありがたい部分なのではないでしょうか。リモート案件は数が少なく見つけるのが大変ですが、ない訳ではないので積極的に探して複数応募することをお勧めします。

(Tips): ちなみに、履歴書の作成方法ですが、Proffで簡単にPC上で作成できます。無料で履歴書を作成できてpdf出力可能なので、今後の活動に役立てて頂ければと思います。

proff.io

ここまで話すと、「いくら自由に働けても時給1000円じゃ...都内だったらコンビニや塾講師の給料の方が高いし、そっちでよくね?」と思う方がいるかもしれません。僕も当初はそのようなことを思っていた時期もありましたが、考えてみてください。「コンビニや居酒屋などで研究の合間に通勤して働く」ことと、「自宅や大学にいても働けて、ITスキルを身につけられる」ことでは、どちらが将来的に有益で研究などの時間に充てられやすいでしょうか。僕はリモートで働ける状況を最大限生かして、明け方まで研究してても次の日に自宅や大学で仕事ができました。通勤時間もないので、睡眠時間の確保もできます。最終的にスキルが身についていけばより良いところを選ぶことは可能なので、最初のうちは「自由に働ける環境」を選ぶことを強くお勧めします。

3. 仕事をやってスキルを貯めつつ、とにかくポートフォリオを作る

5月ごろに採用された時は、実はウェブ開発のスキル(Rails)を使うことはあまりなくデータ分析(pythonなど)の仕事が非常に多かったのですが、研究の合間を使ってリモートでの仕事に励みました。実際にレコメンドや検索システム、分類問題や予測などを機械学習で実装して検証したり、場合によっては実際のサービスに組み込んだりしました。その企業では機械学習をずっとやってきているようなエンジニアさんはいなかったので完全に独学で勉強しながらスキルを貯めていく形になりましたが、いろんなスキルを身に付けることができました。特に、リモートで仕事ができる場合は確実にAWSGCPなどといったクラウドサービスを使うので、開発などを行なっていくうちにクラウドサービスに関しても知識が深まっていくのでオススメです(自分が最初に選んだ場所はAWSでした)。また、その企業は離職率もほぼ0%で非常に自由にいろんなことをやらせてくれる環境だったので、非常に有り難かったです。特に、社長のTさんや地方からわざわざ応募する熱意を認めて採用を決断してくださったCTOのHさん、開発環境を整えてくださったエンジニアのIさんには感謝しています。

この当時は、奨学金を含まないで月に(大学のRAなどを含めて)最低10万、多いときは17万ほど稼げるようになってきました。ですので、博士課程での生活は困ることもなく、リモートなので研究時間の確保にも余裕が出てきました。

もちろんこのままでも十分卒業まで食べていくことはできますし、場合によっては研究で良い成果を出して最後のDC2を狙うことも選択肢としてあると思います。でも、僕は学振だと通っても20万だし大学のRA以外は禁止になっているので自由じゃないなと思いました。なので、より実績を貯めてそこで培ったスキルで食べていく方法を極めることにしました。そのために次にとった行動としてポートフォリオを作成しました。

ポートフォリオとは、端的に言えば「自分のスキルや経験を広告する媒体」です。そこに自分が経験したことやスキルをブログとして宣伝し、次の仕事探しに活かします。僕の場合は採用されたところがRailsで申し込んだのにあまり使わないことになってしまったので、ポートフォリオを貯めつつスキルを維持するためにITエンジニアに特化したQ&Aサイトとして有名なteratailに登録して今まで様々な問題の悩みを解決してきました。teratailはデバッグのスキルも身につくので、ポートフォリオとしても本当にオススメです。

僕のteratailのアカウントがこちらです。また、個人ブログとして「はてなブログ」を利用して自分のスキルをアピールしたりしてきました。最近では、Qiitaなどでネタ解析などをしてます。

teratail.com

qiita.com

このようにして、僕の場合はスタートアップのベンチャーでアルバイトをしつつ、ポートフォリオを作成して積極的に自分のスキルや経験をブログに載せたり質問に答えてきました。皆さんも今後のために、何かしらのポートフォリオを作っていくことをオススメします!

4. 履歴書に十分な実績を書けるようになったら、作ったポートフォリオと履歴書を武器にしてより良い仕事先を探す

オンライン講座で最低限のスキルを身につけ、自由に働けるリモート環境で仕事をして9ヵ月くらい経過した頃です。そろそろ自分も自信が付いてきたので、「もしかして、そろそろ条件の良いところを探せるのではないか?」と感じました。そこで、研究もジャーナルの執筆くらいしかやることもなかったので、博士二年に入る直前に新しい完全リモートの業務委託を探すことにしました。

この時に探すことにしたのは「絶対に準委任契約の業務委託案件」でした。なぜ準委任契約に拘ったかと言うと、7月ごろに時給欲しさに新しい業務委託案件を受けようとして痛手を負ったことがあるからです。実はクラウドワークスで案件をやっていた時があったので、その際に企業からスカウトされたことがあったのですが、その時の雇用契約は「請負契約」と呼ばれるものでした。準委任契約と請負契約の違いを端的に言うなら、「責任の重み」が違います。例えば、準委任契約は働いた分だけ時給が入りますが、請負契約の場合の多くは工数を決めて作業をするケースが多く、特に危険なのは作ったプロダクトに支障が万が一発生して保守作業に回った場合、給料が発生しないことです。その時は知らなかったのですが、後からそれを知った後にスカウト先のデータベースを一瞥したらやばいことを察してすぐに言いがかりをつけてやめたことがあります。特に学生の場合は、研究やって請負契約の受託もしてる時に仕事で大規模な障害が発生して保守作業とかに回った場合、高確率で人生が終わります。そうならないためにも、研究をしてて日々大変な院生には「準委任契約」の業務委託案件を探すことを強くオススメします。

少し話が脱線しましたが、準委任契約の業務委託案件を探すために改めて履歴書を作成しました。日本語の履歴書とCV(英文履歴書)の二つを作成したのですが、実績がはみ出すほど埋まって感動したのを覚えています。英語の履歴書は就活用のついでに作成したものですが、求人のエージェントに英語の履歴書も渡すとインパクトを与えられるので非常にオススメです。

また、業務委託を探すために利用した求人サイトですが、やはり完全リモートだと中々良い案件が見つからず苦労しました。自分は四つくらいの求人サイトを利用したのですが、特にReworkerとエンジニアファクトリーの二つは完全リモート案件もあったのでオススメでした。

www.reworker.jp

www.engineer-factory.com

Reworkerさんのところの方がエンジニアファクトリーと比べて完全リモートの求人が多い印象ですが、エンジニアファクトリーには登録するとサイトに載っていない案件の紹介もあるので、エンジニアファクトリーからはそっちの方から紹介がありました。最終的にReworkerで紹介されていた案件に決定し、採用してくださった企業の手厚い支援もあり、(正確な時給などは少し誤魔化しますが)「時給3000~4000円で土日業務可能のフルリモートでかつフルフレックス」という博士学生ながら破格の条件で仕事をすることができるようになりました。オンラインでの採用面接の時に社長に「君のポートフォリオ見せてもらったよ」と言われて好感を持たれたことを覚えていますが、ここでポートフォリオが活きてきたので良かったなと思いました(見てくれたのが声優のネットワーク解析だったのは驚きましたが笑)

ちなみに、担当のエージェントに相談した時に「これだけの実績があるとかなり稼いでいらっしゃると思うのですが、経験年数が少ないこともあるので3000円くらいでしょうか」と聞かれて「コンビニのバイトより少ないです」と言ったら5秒くらい絶句してました笑

リモートありでも研究と仕事の両立は非常にキツかったので、一年近く頑張って成長したんだなと実感できたので良かったです!

補足:この記事を書こうと思った理由

よく、大学のラボで指導教員が学生を勧誘するときも「うちの〇〇君はDC1通ってるから」と言われて感化して「このラボなら学振も通ってうまくいくかもしれない」と根拠もなく思ってそのラボを選んだ博士後期課程進学予定の大学院生は少なからずいると思います(周りを見た経験上ですが)。しかし、学振は非常に狭い門です。運よく通る方もいれば、通らない方もいます(実際、通らないケースの方が多い)。そして、DC1に通らなかったら限界を感じて就職に切り替える方が沢山いますが、僕はこう思うんです。

学振ってなんか麻薬みたいだな」...と。

別に学振取れなかったから妬んでいる訳ではなくて、博士課程の成功例として学振しか考えてない院生がめちゃくちゃ多いなと思ったんです。別に自分みたいな方法を取らなくても、例えば研究助成の「未踏」などに採択されれば一年間で200万支給されますし、給付の民間財団の奨学金もある訳です。精神的に追い込まれたら周りが見えなくなるのでしょうがないと思うのですが、それでも学振を神か麻薬のように心酔している院生が多いと感じています(実際、僕も当時は学振しか選択肢がないとすら考えていました。学振に通らなければ博士課程の学生として成功ではないし、生活も苦しくなると思っていました)

D1の夏頃に、試しにネットで「学振 なくても大丈夫」みたいな検索をすると、日本学術振興会の記事が連続で続き、ページ下に学振で2回目で成功した記事が出てくるんです(マジか...と思った)。そのくらい、「学振で失敗しても他の道がある」ことを教えてくれる記事がなかったんですよね。だからこそ、「今のやり方で成功したら、いつか自分のやり方を第二、第三の博士課程のキャリアプランとして伝えられたらいいな」と思うようになりました。四つの努力を始めてから一年ちょいになりましたが、こうしてブログとして記録を残すことができて目標を達成できたので、良かったなと思っています。

まとめ

非常に長文になってしまいましたが、学振や給付の奨学金に頼らないために僕が一年間で行なった四つのことについてお話させて頂きました。国は「院生が研究できるように支援をするのは将来の課題」だと言ってますが、学振を貰えるのは実質10%もいないのが現状です(採択率は18%くらいですが、実際に学振に申請してる院生が半分もいないです)。

僕はもともと才能があった訳ではありませんし、凄い研究成果を出していた訳でもありません。研究だって成果が出たのは周りと比べたらずっと後ですし、学振にも通らずに奨学金という名の「借金」に怯えて生活していた大学院生でした。ただ、学振や奨学金という借金に頼らずに自分の力で何とかすると割り切って、それを実現するための計画を立てて継続しただけです(実際、数ヶ月どころか一年間かかってしまいましたが...汗)。

今は新しく採用された業務委託に加えて、ブログでの活動などが認められて別の案件なども依頼されるようになってきたので、本当にポートフォリオ作って良かったなと思っています。人脈も広がってきて、仕事をする楽しみも増えてきました。

今のご時世では、新型コロナウイルスの影響もあり、今まで以上にお金が稼げずに困っている学生は大学院生だけではなく学部生も含めて沢山いると思います。ブログが完成するまで少し遅くなりましたが、この記事を見て少しでも多くの大学院生(および学部生)が金銭的な面を克服して自由に研究できることを祈ってます。

改めて長文になりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。